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デザインで会社をめっちゃ面白くするブログ!!::“売れる”デザインのプロセスとは!?−2
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“売れる”デザインのプロセスとは!?−2
今日は前回の続き、具体的な事例の紹介です。


日本最大級のペーパーアイテム販売サイトで2009年度の
売上げNo.1を達成し、クライアントさんから
とても感謝していただいたブライダルカードの開発事例です。

b-square.jpg

第1位.jpg

http://www.b-square.co.jp/index.htm

クライアントは
大阪上新庄に本社があるブライダルペーパーアイテム製造メーカー
株式会社希望社さんです。

希望社さんはとは、かれこれ10年ほどのお付き合いになります。

company_ph.jpg
株式会社希望社本社

http://www.kibo-sha.com/index.html



その、株式会社希望社さんからブライダルカードの依頼があったのが
2008年の11月でした。

株式会社希望社の越智社長から
2009年度版のブライダルカードを10種デザインしてほしいので
一度、本社に来て欲しいと電話がありました。

僕とディレクターのYUMIちゃんとで
越智社長のオリエンテーションを受けました。


そして、社長からの要望は、

・3年ほどブライダルカードの新作を発売していないので
旧来の商品と置き換える意味で10種類ほどの新作カードを開発してほしい。

・製造は希望社が直営する上海工場で行うので用紙は中国製を使用し、
製造チェックを上海でおこなってほしい。

・発売時期は2009年度の春期(4〜5月発売)

・デフレ傾向が強いが極力値下げしないでも売れる商品を開発してほしい。


といったものでした。

まず、僕たちは最近のブライダルカードの傾向を調べるために
他社のブライダルカードメーカーの商品を希望社さんに集めてもらい、
ブライダルカード業界の傾向を分析しました。

そして、LOFTやハンズといった
エンドユーザーにカード類を販売しているショップに行き
市場調査を行いました。

その後、希望社さんの取引先に対し
今後、どのような傾向のカードがほしいか
アンケート調査を行いました。


そして、分かったことは
ブライダルカードは希望社さんのようなメーカーが製造し、
そのカードを印刷会社、ネット通販会社、ハンズのような販売店が購入し、
エンドユーザーに販売しているが、
市場の声がメーカーに届きにくく、
ファッション性に欠けた商品が多い。

つまり、堅苦しく古くさい商品が多いということです。

実際に、販売店側はエンドユーザー、
特にカードの購買決定権を持つ、
若い女性に“うける”ブライダルを意識しながら
ファッション性の高い商品を求めている。

ということが見えてきました。


次に、製造上の問題を整理しました。


今回のカード製造は中国工場が行うので
日本とは違った問題がありました。

その一つは、中国の“紙”の問題です。

中国見本帳.jpg
中国の紙見本帳


日本の紙と比較すると中国の紙は
水質の違いから、かなり黒点や不純物が多く含まれています。
そのため、中国は純白の紙よりもパール加工やエンボス加工などの
原紙を二次加工した用紙がほとんどです。

そこで、中国用紙の特性を生かした
デザインを考える必要がありました。

あと、日本に比べて印刷の仕上がりが安定しないため(色転びの問題がおきやすい)
安定した商品を印刷するために大量部数の印刷が必要です。
しかし、大量に作ると商品在庫が大きくなる問題が発生します。

そこで、僕たちは
在庫を抱える必要が無く、小さなロットで生産でき、
色転びの問題が少ない“箔押し”や“トムソン”などの
加工方法でできるデザインを考えることにしました。

箔押し.jpg
箔押し加工

トムソン.jpg
トムソン加工

箔押し機.jpg
箔押し機械


その次は、いよいよデザインを考える段階です。

ファッション業界紙やファッション雑誌から
ここ数年間続いているファッション傾向を調べ、
その傾向を年齢や趣味趣向に分けて
ポジショニングマップを作成しました。

ポジショニングマップを元に
6種類のデザイングループを作り、
そのグループにあったデザインを制作しました。

マップ.jpg

デザインが出来上がると、
次は試作品の製造です。

デザイン段階では無かった問題が
試作の段階で現れてきます。

実際に加工してみると
デザインが繊細すぎて細かいテクスチャーが表現できなかったり、
中国から日本に輸送する間に形状が崩れてしまったり、
様々な問題が現れてきました。

リボン加工.jpg
リボンがつぶれないように輸送する方法を考えました。


その問題が現れるたびに、
加工方法を変更したり、輸送方法を考えたりしました。

当初、30種類ほどのデザインを作りましたが
最終的に製品化のめどが立ったのは12種類でした。


いよいよ、出来上がった商品を市場に出す段階です。

越智社長からのオファーであった

デフレ傾向が強いが極力値下げしないでも売れる商品を開発してほしい。

ということを実現するために、
新製品の販促方法を考えました。


商品開発においてとても重要なことが
“ネーミング”です。

多くのメーカーはこの“ネーミング”をおろそかにします。

ひどい場合など、「KB-0023」などのように
開発コードをそのまま“ネーミング”にしたりします。

そこで、僕たちは顧客傾向にあわせた
ポジショニングマップを元に、“ネーミング”を考えました。
そして、その“ネーミング”を考えるヒントは
雑誌の中にあります。

雑誌社は、ポジショニングや読者層の趣味趣向を良く理解しています。
そして、雑誌広告は非常に高価な広告媒体ですので
掲載している広告主は多角的に分析して広告出稿を行います。
そのために、雑誌に登場するキーワードはとても
重要なヒントとなるのです。

雑誌.jpg

そうして考えた“ネーミング”に即した
“ストーリー”を考えます。

お客さんは商品にまつわる“ストーリー”にとても興味を持ちます。


例えば、
SOLEIL(ソレイル 意味:太陽)
という商品には

太陽をイメージして織られた伝統的なイタリアジェノバの
ニードルポイントレースのイメージをモチーフにした、
女性にも男性にも人気のあるクラシカルで大胆なデザイン。


という“ストーリー”です。



カードは“ストーリー”を与えられるまでは
紙とインクの合成物にすぎません。

その合成物に“ストーリー”を与えることで
その物質に“命”がやどるのです。

そして、“命”のやどった商品は
お客さんの心に響きます。


次に大切なのは
商品の見せ方です。

例えば、ダイヤの指輪を茶封筒に入れて販売されても
誰も魅力を感じません。

素敵なBOXに納められて
その魅力が倍増するのです。


今回開発したカードには
専用のボックスやバインダーを作り、
カード一枚一枚をとても丁寧にお客さんに
プレゼンテーションすることにしました。

その効果で、ダンピングされることが無く
高い利益率をキープすることができました。


結果的にYUMIちゃんがデザインした12種類のブライダルカードは
毎月1000万円以上の売上げを上げることとなりました。


今回のケースは成功したケースです。
必ずしも、毎回、このように上手くいくとは限りません。

しかし、重要なのは
デザインは美術作品では無いということです。

デザインはデザイナーの自己中心的な想像の産物ではないのです。

僕たちデザイナーがクライアントから求められているのは
“デザイン”では無く、“デザイン”によって得られる“成果”なのです。

その“成果”を見据えて考える“デザイン”こそが、
「成功するデザインのプロセス」だと
僕たちは常に考えています。

ブライダルカード.jpg
仕上がったブライダルカードの一例





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