デザインが経営を変える時代
2010-06-09 22:04:37 (14 years ago)
昔、親戚のおじさんからいただいた
D・A・ノーマン著「誰のためのデザイン」という本を
久しぶりに読み返してみました。
認知科学の学者であるノーマン氏が
認知科学的にすぐれたデザインについて述べられた本です。
1990年に書かれたこの本を
久しぶりに読み返し、
現代の経営におけるとても大切なヒントを
本の中から沢山見つけることができました。
本に載っている挿入画を何枚かご紹介します。
最初はベンツの座席調整つまみです。
つまみがシートの形にデザインされていて
感覚的にリクライニングを調整できるようになっています。
車を運転しながらシートの調整などをするのは
かなり危険な行為です。
このスイッチはそんなドライバーの状況を考えてデザインされているのです。
次は原子力発電所の操作レバー。
どのスイッチも同じデザインで作られているので
操作員がビールのノブを取り付けて自分で改造したスイッチです。
原発というとても危険性の高い操作環境において
少しの操作事故が大惨事につながります。
操作盤をデザインしたデザイナーの
危険性に対するリアティーの少なさを物語っている出来事です。
下のイラストは上記のことを象徴的に描いたものです。
「アフォーダンス」という言葉があります。
例えば、人が扉のノブを手にしたときに
無意識に手前に引いたり、押したりしてしまう、
「モノ」が人の行動を規定することを意味する言葉です。
1990年頃には
「アフォーダンス」は
プロダクトデザインの世界に限られた言葉でしたが
最近は企業経営に大きく関係する言葉になってきました。
例えば、「トヨタ」の改善の中で、
“パレットの撤廃”というのがあります。
工場では製造中の仕掛品というのがあります。
仕掛品とは完成途中の部品のことですが、
おうおうにして不良在庫となり
経費の無駄遣いの元となります。
この仕掛品を積んでおくパレットを無くすことで
余分な仕掛品を製造せずに無駄を無くすという結果につながります。
近年、製造業で流行っている“3S活動”などの
アフォーダンスの典型と言えるでしょう。
このアフォーダンスを生み出す能力は
本来デザイナーが持っているものです。
しかし、今まで日本のデザイナーは
代理店などの下請けや企業内の部分的な役割しか
与えられてこなかったので
アフォーダンスを意識したデザインを考えにくい環境にいました。
しかし、i-padなどの流れを考えると
今後、感覚的なインターフェースやプロモーションが
市場を席巻することは確かです。
今後、日本ではアフォーダンスを生み出す
デザイナーを少しでも多く養成しなければいけない
時代となっているのではないでしょうか。
ランキングサイトに参加しました。
このブログをお読みになって「面白い!!」と思っていただけたら
ワンクリックお願いします(^_^)v
人気ブログランキングへ
D・A・ノーマン著「誰のためのデザイン」という本を
久しぶりに読み返してみました。
認知科学の学者であるノーマン氏が
認知科学的にすぐれたデザインについて述べられた本です。
1990年に書かれたこの本を
久しぶりに読み返し、
現代の経営におけるとても大切なヒントを
本の中から沢山見つけることができました。
本に載っている挿入画を何枚かご紹介します。
最初はベンツの座席調整つまみです。
つまみがシートの形にデザインされていて
感覚的にリクライニングを調整できるようになっています。
車を運転しながらシートの調整などをするのは
かなり危険な行為です。
このスイッチはそんなドライバーの状況を考えてデザインされているのです。
次は原子力発電所の操作レバー。
どのスイッチも同じデザインで作られているので
操作員がビールのノブを取り付けて自分で改造したスイッチです。
原発というとても危険性の高い操作環境において
少しの操作事故が大惨事につながります。
操作盤をデザインしたデザイナーの
危険性に対するリアティーの少なさを物語っている出来事です。
下のイラストは上記のことを象徴的に描いたものです。
「アフォーダンス」という言葉があります。
例えば、人が扉のノブを手にしたときに
無意識に手前に引いたり、押したりしてしまう、
「モノ」が人の行動を規定することを意味する言葉です。
1990年頃には
「アフォーダンス」は
プロダクトデザインの世界に限られた言葉でしたが
最近は企業経営に大きく関係する言葉になってきました。
例えば、「トヨタ」の改善の中で、
“パレットの撤廃”というのがあります。
工場では製造中の仕掛品というのがあります。
仕掛品とは完成途中の部品のことですが、
おうおうにして不良在庫となり
経費の無駄遣いの元となります。
この仕掛品を積んでおくパレットを無くすことで
余分な仕掛品を製造せずに無駄を無くすという結果につながります。
近年、製造業で流行っている“3S活動”などの
アフォーダンスの典型と言えるでしょう。
このアフォーダンスを生み出す能力は
本来デザイナーが持っているものです。
しかし、今まで日本のデザイナーは
代理店などの下請けや企業内の部分的な役割しか
与えられてこなかったので
アフォーダンスを意識したデザインを考えにくい環境にいました。
しかし、i-padなどの流れを考えると
今後、感覚的なインターフェースやプロモーションが
市場を席巻することは確かです。
今後、日本ではアフォーダンスを生み出す
デザイナーを少しでも多く養成しなければいけない
時代となっているのではないでしょうか。
ランキングサイトに参加しました。
このブログをお読みになって「面白い!!」と思っていただけたら
ワンクリックお願いします(^_^)v
人気ブログランキングへ
<<デザインイノベーションの参考書
|
入社案内を作っています。 >>