工業社会の終焉
2010-09-27 19:45:55 (14 years ago)
先日、愛媛県から遊びに来ていた友人を連れて
IKEAに行きました。
自宅に届けられた
イケア新商品カタログを見ているとワクワクしてきて
友人とイケアに行こう!!ということになりました。

実際にイケアに行ってみると
ソファーだのキャビネットだの
今時の一人暮らしがうらやましくなるような
デザインされた沢山の製品が
低価格で販売されています。


店内を突き進んでいくと
キッチンコーナーに入っていきました。
このあたりに並べられている商品のほとんどは
単価100円前後。
スエーデン版100円均一といった感じです。


しかし、冷静になって
店内を見回すと、ほとんど買う物がありません。
なぜなら、鍋もフライパンも
本棚もすべて揃っていて
いまさら絶対に必要なものなんて何もありません。
イケアも
現代の消費者が今更新しい「物」を必要としていないことを
十分に承知しています。
そのため、極限に価格を引き下げて提案しています。
(もちろん利鞘を稼ぐ商品をちゃんと設定しています)
そして、言わずと知れた
イケアの売りは「デザイン」です。
物質としての「物」を求めない現代人に
「デザイン」という“無形の価値”を提案しているのが
イケアの戦略です。
しかし、イケアの商品における「デザイン」は
カタログでは魅力を感じますが
実物はコストを重視する姿勢から
かなりのチープ感が否めません。
そのため、ある程度デザインに触れてきた客層には
物足りない物ばかりです。
イケアは「デザイン」というコトを売りにしている企業のように
思われますが実際には
「工業社会」のフレームワークに則って開発されていることが
この会社の「デザイン」との関係性で垣間見ることができます。
例えば、アップルと比較するとよく分かります。
アップルのi-padなどの製品は、
イケアと同じようにデザインを重要視して
開発がされてます。
しかし、絶対的にイケアとアップルが違うところは
イケアは「工業社会」のフレームワークにいるのに対し、
アップルは「創造社会」のフレームワークで
商品開発されていることです。
i-padの開発話として有名なのは、
従来の商品開発では
プロダクトのデザインが優先であり、
ソフトウエアーはプロダクトの後に開発されてきました。
例えば、
SONYなどのプレステなどがそうです。
しかし、アップルはi-padのハードのデザインを先に考えたのではなく、
アップルストアーやi-tunesなどのようなシステムデザインが先にあり、
そのソフトウエアーに合わせたハードウエアーのデザインが
なされています。
そのため、価格設定も
ハードの売り切り価格設定ではなく、
ソフトというハード購入後にも課金できる
手段を手に入れることが考えられています。
そのため、ソフトで売上げ回収ができるために
十分な材料費をハードにつぎ込むことができ、
完成度の高いプロダクトを実現させています。
しかし、イケアのように売りきり商品の場合、
品質を上げるためには価格を高く設定する必要があり、
価格を安く抑えるには品質を下げなければいけません。
これが、僕の考えるイケアが古い「工業社会」のフレームワークに
存在する所以です。
新しい時代のフレームワークは
「物」を重要視しないフレームワークです。
むしろ、無形の「目的」のために
かろうじて「物」が脇役として存在する社会です。
そして、品質が低かったり、物語を持たない「物」には
限りなくゼロに近い、価値しか与えられない世界です。
分かりやすく言えば、
ディズニーランドでは
遊具機器が主役ではなく、
世界観が主役となっているということです。
遊具機器はあくまで
ディズニーワールドを際だたせるために
存在しているのです。
それとは反対に多くの消えていった
遊園地は遊具機器によって
お客さんを集めようとしてきました。
そして、結果的に
消えていったのです。
絶叫“マシーン”の時代は
終わってしまったということです。
今後、私達日本人も
新しい世界観の中で次世代の産業を
考える必要に迫られていますね。
IKEAに行きました。
自宅に届けられた
イケア新商品カタログを見ているとワクワクしてきて
友人とイケアに行こう!!ということになりました。

実際にイケアに行ってみると
ソファーだのキャビネットだの
今時の一人暮らしがうらやましくなるような
デザインされた沢山の製品が
低価格で販売されています。


店内を突き進んでいくと
キッチンコーナーに入っていきました。
このあたりに並べられている商品のほとんどは
単価100円前後。
スエーデン版100円均一といった感じです。


しかし、冷静になって
店内を見回すと、ほとんど買う物がありません。
なぜなら、鍋もフライパンも
本棚もすべて揃っていて
いまさら絶対に必要なものなんて何もありません。
イケアも
現代の消費者が今更新しい「物」を必要としていないことを
十分に承知しています。
そのため、極限に価格を引き下げて提案しています。
(もちろん利鞘を稼ぐ商品をちゃんと設定しています)
そして、言わずと知れた
イケアの売りは「デザイン」です。
物質としての「物」を求めない現代人に
「デザイン」という“無形の価値”を提案しているのが
イケアの戦略です。
しかし、イケアの商品における「デザイン」は
カタログでは魅力を感じますが
実物はコストを重視する姿勢から
かなりのチープ感が否めません。
そのため、ある程度デザインに触れてきた客層には
物足りない物ばかりです。
イケアは「デザイン」というコトを売りにしている企業のように
思われますが実際には
「工業社会」のフレームワークに則って開発されていることが
この会社の「デザイン」との関係性で垣間見ることができます。
例えば、アップルと比較するとよく分かります。
アップルのi-padなどの製品は、
イケアと同じようにデザインを重要視して
開発がされてます。
しかし、絶対的にイケアとアップルが違うところは
イケアは「工業社会」のフレームワークにいるのに対し、
アップルは「創造社会」のフレームワークで
商品開発されていることです。
i-padの開発話として有名なのは、
従来の商品開発では
プロダクトのデザインが優先であり、
ソフトウエアーはプロダクトの後に開発されてきました。
例えば、
SONYなどのプレステなどがそうです。
しかし、アップルはi-padのハードのデザインを先に考えたのではなく、
アップルストアーやi-tunesなどのようなシステムデザインが先にあり、
そのソフトウエアーに合わせたハードウエアーのデザインが
なされています。
そのため、価格設定も
ハードの売り切り価格設定ではなく、
ソフトというハード購入後にも課金できる
手段を手に入れることが考えられています。
そのため、ソフトで売上げ回収ができるために
十分な材料費をハードにつぎ込むことができ、
完成度の高いプロダクトを実現させています。
しかし、イケアのように売りきり商品の場合、
品質を上げるためには価格を高く設定する必要があり、
価格を安く抑えるには品質を下げなければいけません。
これが、僕の考えるイケアが古い「工業社会」のフレームワークに
存在する所以です。
新しい時代のフレームワークは
「物」を重要視しないフレームワークです。
むしろ、無形の「目的」のために
かろうじて「物」が脇役として存在する社会です。
そして、品質が低かったり、物語を持たない「物」には
限りなくゼロに近い、価値しか与えられない世界です。
分かりやすく言えば、
ディズニーランドでは
遊具機器が主役ではなく、
世界観が主役となっているということです。
遊具機器はあくまで
ディズニーワールドを際だたせるために
存在しているのです。
それとは反対に多くの消えていった
遊園地は遊具機器によって
お客さんを集めようとしてきました。
そして、結果的に
消えていったのです。
絶叫“マシーン”の時代は
終わってしまったということです。
今後、私達日本人も
新しい世界観の中で次世代の産業を
考える必要に迫られていますね。
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