デザイン・イノベーションを考える
2010-09-03 20:33:52 (14 years ago)
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デザインイノベーション
ドイツ・フロッグデザインの創業者
ハルトムット・エスリンガーという人が書いた、
「デザイン・イノベーション」翔泳社
というとても面白い本があります。
エスリンガーは1969年、若干25歳でフロッグデザインを設立し、
今や400名以上のデザイナー、コンサルタントを抱える、
世界的イノベーション・コンサルティング・カンパニーです。
彼の手がけた、初期のアップル製品のデザインは
今でも伝説となっています。
そして、本の冒頭にある「本書を推薦する言葉」を書いている
アートディレクター原研哉氏の文章に僕はとても興味をひかれました。
なぜなら、その文章に書かれているデザイナーの役割が
とても現代的なものであり、
デザインによるイノベーションが何たるものかを、
とても短い文章で的確に捉えているからです。
全文、ご紹介します。
「優れたデザイナーは、多方面にわたる夥しいビジネスシーンに
多層的・連続的に接触し続けている。
だから、イノベーションが生まれる刹那の運動メカニズムを
高速度カメラのように緻密にその目に捉えることができる。
ひとつの企業に専念せざる得ない企業家の目とはそこが異なるのだ。
デザイナーが創造的なコンサルテーションを
行うことができるのはそういう資質においてである。
有能なデザイナーが企業経営と結びつくことで
何がもたらされるかについて、
ビジネスリーダーはもう少し把握しておいた方がいいかもしれない。
産業ヴィジョンの再構築が真摯に求められている現代の日本であればこそ。」